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スバルライン必勝法

先代の方(々)が書いてくださったスバルライン必勝法。記録ねらいの人、完走ねらいの人別の記事があります。

記録狙いの人編

スバルラインに臨むには、多少の予備知識を持っておく必要があります。
 全長は28km、最大勾配8%、スタートの標高870m、ゴールの標高2300m、平均斜度約5%、道の端には標高表示と勾配表示があります。これくらいでよいでしょう。

1.事前準備
 自転車はロードレーサーが良いでしょう。(当たり前?)ロードを持っていない人ははずせる物はすべてはずし(アウターチェーンリングも?)て「とにかく軽量化を図る」ことが肝要でしょう。
 ボトルは個人差がありますが、よほど暑くならない限り、すなわちスタート地点の気温が25℃を越えるような場合以外は満タンにする必要はありません。普段水分をあまりとらない人は亡くても十分。食い物などをもつのは論外。事前に食事くらいとっておきましょう。
 ウォーミングアップは念入りにやりましょう。早めにスタート地点に入り、ほぼ全力で森林公園(後述)まで往復するくらいがいいと思います。その際回転数を上げる乗り方をするべきでしょう。

2.レース
 最初は4%の坂です。しかも直線。前にスタートした人に追いつくぐらいのペースで行きましょう。「速過ぎるな」と言うくらいでよいです。「スタート直後のマイペースはタイムのロス」と覚えておきましょう。なお、スタートしてすぐに信号があります。このタイミングは早くから把握し、間違っても信号で停止(無視してはだめですよ!)する事にないように時にはスプリントもかけるくらいの気合いが必要です。
 信号をすぎると、勾配は多少急になり、5%となります。この勾配がスバルラインで一番長くあらわれる勾配です。ここのギア比と回転数を頭にたたき込むことが大事です。これから先、自分の疲労度を見ながらギアの選択をしていくことになります。
 長い直線が続きます。仮に一人になってもここではマイペースを考える必要はありません。今までのレースを私が走りながら見る限り、速い人はここの地点と後述する地点が速いというのが私の結論です。速い人も、すべての場所で平均的に速いわけではないのです。
 2つ目の信号(最後の信号)をすぎると勾配が急になります。8%以上かもしれません。スバルライン最急勾配の一つです。これは料金所までの数百メートル、そして料金所は平坦で楽できるので、ここは一気に行くべきです。料金所でカメラマンがいるかもしれず、伸びたカエルみたいな表情を見せたくない、と一瞬考えるかもしれませんが、勝つためには無用な考え?です。ちなみに昔はここは料金所ではなかったため、普通の勾配でした。(今のスタート地点が料金所)。
 料金所をすぎると、勾配が5%に戻ります。まず右カーブ。ここからしばらくはカーブの連続で気分的には楽です。所々に8%勾配が断続的にあらわれます。先を見ていると急になっているのがはっきり分かります。1合目の看板を過ぎ、そして1360m地点、左に広い駐車場が見える直線がちょっときつい。しかしここはそのあと緩い勾配となるので、頑張りましょう。
 この駐車場をすぎるとしばらく緩い勾配です。ギア比をあげて加速しましょう。1450m地点大きな右カーブまでは比較的緩い坂。
 ここから道は西に向かい、すぐの直線区間に8%が現れますが短いもの。スバルラインは急な勾配が長くないのが特徴ですので、まったりモードにならないようにしなければいけません。
   このあたりから晴れていれば右手に下界が見えてきます。右手に駐車場のあるあたりの2合目を過ぎ、3合目のバス停が1700m地点。しかし本当の3合目は大きな左カーブをすぎてから1750m地点あたりです。このあたりは勾配の変化がさほどなく、ペースが落ちたままだといつの間にかタイムロスになっているので、左端の勾配表示と自分の回転数とをチェックする必要があります。  大きな左カーブのあとは直線となります。勾配は5%前後。そして大きな右カーブをすぎると、4合目までの変化のあまりない部分に入ります。ここで、1800m地点付近。
 ここから2000mの4合目までの200mUPは肝要です。なぜならここは単調な坂で、気分が滅入るのですが、実は勾配は4%が中心で坂は比較的緩いのです。ここを3合目までのペースでいってしまい、タイムロスする人が多いように思えます。要注意です。回転数とギア比を要チェック。
 大きな左カーブをすぎると、4合目2000m地点。だいぶ空気が冷たくなってきました。しかしここから2080m地点のS字カーブまでは同じ勾配なので、気を抜かずに。
 S字カーブはわずかに8%が現れるのでぐっとこらえ、大きな右カーブへ。ここからが8%勾配で比較的長い。大きな左カーブ2170m地点をすぎるといったん緩くなります。ここで、加速して上にガードが見え、左に駐車場が見えるところが「御庭」で最後の急坂です。その後が平坦であると言うことを肝に銘じてダレることのないようにしましょう。
 登り切ると2km近い1%の坂です。急坂で上がった息が戻ったらタイムトライアルのつもり(全部そうか(^_^;))で全力で回しましょう。最後の最後に急坂がありますが、500mくらいのもの。気にしないように。この平坦部分では気を抜くと意外に差が付きます。
 そして最後は横を歩く観光客にかっこいいところを見せようとか、いっぱい駐車している観光バスのガイドなどには目もくれず、気分は世界選手権最終周回での古賀志林道のダーネンスのアタック(だいぶん古い)のつもりでゴールを目指しましょう。間違っても明日の試験だとかを考えてはいけません。
 こうすればゴールであなたは十分な満足に浸ることができるのです。はは。

完走狙いの人編

1.事前準備
 記録ねらいの人編の冒頭にある予備知識は頭に入れていてください。そう、スバルラインは長いのです。30km近くも上りしかないのです。正気の沙汰でないと分かっていても、スタートについてしまったあなたは行くしかありません。何しろこの時期、止まれば寒いので進むしかありません。であれば、万全の準備をして、できるだけ楽しんで登る秘策?をお教えしましょう。
 まず、自転車は軽量化する事が大事ですが、食料を軽量化するのは感心しません。ハンガーノックになった例を数多く知っています。かくいう私も一年生の時ランドナーで登ったのに、(フロントバッグまでつけて)食料を持っていかずに4合目大休憩という過去があります。水もフルボトルで。
 気温も5合目では、10℃を切るのが普通です。グローブは指切りはやめた方がいいでしょう。ウィンドブレーカーは必携。膝が冷えるので、レーパンを履くのならニーウォーマーがあった方がよいです。

  2.レース
 スタートしてすぐは平坦に見えますが、かなり登っています。重いギアを踏むことのないようにしましょう。十数年前、一年生だったK嬢はここが平坦だと思いアウタートップで上りはじめ、おかしいなと思いつつしばらく上り、ダメージをうけた、なんて言う話もあります。
 スバルラインは大型観光バスが多いです。後からクラクションをならされたりする事があります。反応する必要はありません。無視しましょう。ただしスバルラインに限らないのですが、まっすぐ走るようにすることは大事です。クルマの人から見ればふらついている自転車は怖いのです。疲れても蛇行はしないようにしましょう。蛇行せざるを得ないと思ったら潔く押しを入れましょう。
 2つ目の信号をすぎるとすぐ道が急になります。でも、急坂はそんなに長くはありません。スバルラインは急坂はあっても長くないのが特徴です。我慢すればわずかの辛抱です。ただ、この信号からの急坂が他の急坂と違うのは急坂が終わった後が料金所だと言うこと。あんまり頑張るとカメラマンに写真を撮られ、へろへろの顔が、サークル写真として歴史に残る?可能性もあります。それは恥ずかしい!と思ったら、この急坂では無理をせず、余裕を持ってカメラの前ではポーズを取りましょう。
 料金所をすぎるとカーブの多い、視界の効かない道が続きます。紅葉の始まった木々を見ながら(蛇行しないように)ゆっくり進みましょう。急坂は左カーブに何故か多く、見通しがきかないために「どれだけ続くの?」とびびりますが、実はいずれも短いものです。
 1合目の看板が見えると、「まだ1合目?!」とがっかりしますが、道のりは5分の1以上すぎていますので落胆なきよう。左手の広い駐車場を過ぎると勾配は緩くなります。道は東に向かい、左手には河口湖方面の下界が所々見えだします。大きく180度カーブして、今度は西へ向かい、また急坂が現れだします。これも長くはありません。
  2合目を過ぎ、3合目のバス停が現れるところで、林道をオーバークロス。これは精進口登山道です。この3合目の状況は「記録ねらいの人編」参照。
 4合目への上りから、今度は右手に視界が開けてきます。下は上九一色村方面。その向こうの堂々とした山は毛無山。さらに遠くは南アルプス白根三山が優美な稜線のカーブを見せてきます。このあたりは上りが単調なので、景色を見て気分を紛らせましょう。蛇行には注意して。
 大きく左カーブをすると2000m地点の大沢駐車場です。ここまで来るとかなり寒いのが通例なので、休憩して多少着込みましょう。景色もいいところです。南アルプス3000m級の山は仙丈岳を除き全部見えます。
 このあたりからは空気が多少薄いと感じるかもしれません。またしばらく行ったS字カーブからは勾配も急になりますので、頑張りが必要です。冷えてきていますので、足をつらないよう軽いギアを回すよう注意してください。
 S字カーブを過ぎ右180度カーブ。急に登って左180度カーブ。ここまで来ると、上そして前方には富士山の長大な傾斜を感じるでしょう。道は山を巻きながら北東へ進みます。しばらくして御庭の駐車場が左に見えるところが急坂。クルマの出入りに注意しながら急坂を頑張ってください。それが終わると平坦地です。(1%の坂)。このあたりの左方の眺めは、南アルプスは甲斐駒ヶ岳、その右に八ヶ岳。運が良ければ八ヶ岳の左手に来たアルプス槍穂高の連峰が見えます。
 そしてトンネル(8年前の雪崩による崩壊部分です)からは最後の急坂。ゴールはすぐそこ。観光客の声援もあるかもしれません。がんばりましょう。
 とうとう着きました。すぐからだが冷えるのでなによりもまず着込みましょう。
そして周囲を一瞥。上には富士山が意外に近く見えます。西の風景は先ほどの通り。レストハウスの屋上に上がれば奥秩父の山々。その向こうに浅間山といった山も見えます。2300mの視界を存分に楽しみましょう。

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