SUBARU必勝法?●完走ねらいの人編

1.事前準備

 記録ねらいの人編の冒頭にある予備知識は頭に入れていてください。そう、スバルラインは長いのです。30km近くも上りしかないのです。正気の沙汰でないと分かっていても、スタートについてしまったあなたは行くしかありません。何しろこの時期、止まれば寒いので進むしかありません。であれば、万全の準備をして、できるだけ楽しんで登る秘策?をお教えしましょう。

 まず、自転車は軽量化する事が大事ですが、食料を軽量化するのは感心しません。ハンガーノックになった例を数多く知っています。かくいう私も一年生の時ランドナーで登ったのに、(フロントバッグまでつけて)食料を持っていかずに4合目大休憩という過去があります。水もフルボトルで。

 気温も5合目では、10℃を切るのが普通です。グローブは指切りはやめた方がいいでしょう。ウィンドブレーカーは必携。膝が冷えるので、レーパンを履くのならニーウォーマーがあった方がよいです。

 

2.レース

 スタートしてすぐは平坦に見えますが、かなり登っています。重いギアを踏むことのないようにしましょう。十数年前、一年生だったK嬢はここが平坦だと思いアウタートップで上りはじめ、おかしいなと思いつつしばらく上り、ダメージをうけた、なんて言う話もあります。

 スバルラインは大型観光バスが多いです。後からクラクションをならされたりする事があります。反応する必要はありません。無視しましょう。ただしスバルラインに限らないのですが、まっすぐ走るようにすることは大事です。クルマの人から見ればふらついている自転車は怖いのです。疲れても蛇行はしないようにしましょう。蛇行せざるを得ないと思ったら潔く押しを入れましょう。

 2つ目の信号をすぎるとすぐ道が急になります。でも、急坂はそんなに長くはありません。スバルラインは急坂はあっても長くないのが特徴です。我慢すればわずかの辛抱です。ただ、この信号からの急坂が他の急坂と違うのは急坂が終わった後が料金所だと言うこと。あんまり頑張るとカメラマンに写真を撮られ、へろへろの顔が、サークル写真として歴史に残る?可能性もあります。それは恥ずかしい!と思ったら、この急坂では無理をせず、余裕を持ってカメラの前ではポーズを取りましょう。

 料金所をすぎるとカーブの多い、視界の効かない道が続きます。紅葉の始まった木々を見ながら(蛇行しないように)ゆっくり進みましょう。急坂は左カーブに何故か多く、見通しがきかないために「どれだけ続くの?」とびびりますが、実はいずれも短いものです。

 1合目の看板が見えると、「まだ1合目?!」とがっかりしますが、道のりは5分の1以上すぎていますので落胆なきよう。左手の広い駐車場を過ぎると勾配は緩くなります。道は東に向かい、左手には河口湖方面の下界が所々見えだします。大きく180度カーブして、今度は西へ向かい、また急坂が現れだします。これも長くはありません。

  2合目を過ぎ、3合目のバス停が現れるところで、林道をオーバークロス。これは精進口登山道です。この3合目の状況は「記録ねらいの人編」参照。

 4合目への上りから、今度は右手に視界が開けてきます。下は上九一色村方面。その向こうの堂々とした山は毛無山。さらに遠くは南アルプス白根三山が優美な稜線のカーブを見せてきます。このあたりは上りが単調なので、景色を見て気分を紛らせましょう。蛇行には注意して。

 大きく左カーブをすると2000m地点の大沢駐車場です。ここまで来るとかなり寒いのが通例なので、休憩して多少着込みましょう。景色もいいところです。南アルプス3000m級の山は仙丈岳を除き全部見えます。

 このあたりからは空気が多少薄いと感じるかもしれません。またしばらく行ったS字カーブからは勾配も急になりますので、頑張りが必要です。冷えてきていますので、足をつらないよう軽いギアを回すよう注意してください。

 S字カーブを過ぎ右180度カーブ。急に登って左180度カーブ。ここまで来ると、上そして前方には富士山の長大な傾斜を感じるでしょう。道は山を巻きながら北東へ進みます。しばらくして御庭の駐車場が左に見えるところが急坂。クルマの出入りに注意しながら急坂を頑張ってください。それが終わると平坦地です。(1%の坂)。このあたりの左方の眺めは、南アルプスは甲斐駒ヶ岳、その右に八ヶ岳。運が良ければ八ヶ岳の左手に来たアルプス槍穂高の連峰が見えます。

 そしてトンネル(8年前の雪崩による崩壊部分です)からは最後の急坂。ゴールはすぐそこ。観光客の声援もあるかもしれません。がんばりましょう。

 とうとう着きました。すぐからだが冷えるのでなによりもまず着込みましょう。

 そして周囲を一瞥。上には富士山が意外に近く見えます。西の風景は先ほどの通り。レストハウスの屋上に上がれば奥秩父の山々。その向こうに浅間山といった山も見えます。2300mの視界を存分に楽しみましょう。

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