前回までは、自転車に乗る前の必要な装備、自転車の乗り方の基本編(乗り方、止まり方、曲がり方)、集団で走る際の注意点、特に手信号について説明しました。安全走行全てに言えることだと思いますが、初めは意識的に、いずれは無意識に出来るよう、体で覚えてしまおう。
 さて、新入生の人々にとって、4月に企画された新歓ランは、比較的自動車の少ないコースが中心でした。しかし、これからの企画は、次第に自動車の多いところを走る可能性も出てきます。日本の道路事情の悲しい現実として、自転車で走る際には、車と道路を共有せねばなりません。パワーもスピードも、大きさも違う自動車とどのように共存するか、これがW章、X章でのテーマです。

 

W.車との共存−−自転車は道のどこを走る?

(1)通常走行時
 とりあえず、道路交通法上での規定では、自転車は、軽車両という規格で扱われ、例外(高速道路、一部有料道路、バイパス、陸橋、トンネル部分、など)を除いては、車道を走ることになっている。 歩道を走れるのは、歩道に、『自転車通行可』の標識(暇だったら、探してごらん)が出ている場合である。
 「あっそ、じゃ、標識が出てる時以外は車道を好き勝手に走ってればいいのね。」
いやいや、実際はこんなに簡単に割り切れるものではないのだよ。

 

@車道のどこを走るべきか?
 二輪車用のレーンが用意されている時には、迷わずそこを走る。ただ、このような恵まれた例は少ないんだな。普通の車道の場合、注意すべきことは、<<左に寄り過ぎず、右に出過ぎず>>ということ。

 左に寄り過ぎず、というのは、路肩(道路の端の、色の異なる斜めになった部分)を走らないということ。路肩は、斜めになっていて、バランスを崩しやすいばかりか、危険物で満ち溢れている。例えば、空缶、ごみ、砂、ガラス片、排水溝の蓋などだ。これらは、転倒やパンクの原因になる。また、目安として<<道路の左端から1m以上あけること>>この理由は、左に寄り過ぎると、車は油断して進路を変えずに平気で抜いてゆく。特に大型車が側を走り抜けた時の風に煽られようものなら、左に逃げ場がなければもう大変。つまり、左側に逃げ場を作るのが目的なのです。

 右に出過ぎない理由は簡単。車が抜き難いから。車との距離が近付けば、それだけ引っ掛けられ易い。ドライバーにすれば、右に出過ぎた自転車はうっとおしい。もっとも、引っ掛けられる以前に、クラクションの嵐がやってくる。意外にこうなるのは、集団走行中、ついつい、ということが多いようです。広くて車の来ない道はともかく、交通量の多い道で横になってしゃべりながらというのはもってのほか。

A普段から心がけること
 車の立場から自転車を見て、何が一番恐いかといえば、行動が読めないこと。フラフラ走られると、余計に不安になります。とにかく、どこを走るにしても、まっすぐ走れるように心がけてください。
 フラフラすると、引っ掛けられ易いし、ペダリング効率も悪くなります。白線の上をずっと走り続ける練習などによって、バランス感覚を高めておくことも重要です。

 

(2)渋滞時

 自転車には渋滞は関係ない、とはいえ渋滞している道は、そうでない道より、数倍神経を使うもの。
 とにかく恐いのは、目の前の助手席側のドアが突然開くこと。助手席の人は、運転手に比べて、不用意にドアを開け易い。歩道のある時は、なるべく歩道に上がり、ないときは仕方ないので、細心の注意を払い、徐行しながら、出来ればベルやライトを使って存在をアピールするのも有効である。

 

(3)交差点など

 大通りの交差点などで、左折車がたくさん走るようなところでは、巻き込まれる可能性が高いので、ここでも出来れば歩道に上がった方がよい。

 

(4)信号待ちなど、停車中

 二輪車の停止線は、四輪車の停止線より前にあります。自転車も、二輪の停止線まで前に出て、車に対して存在をアピールしておくように。この時、左折信号が出ている時があるので、信号表示には十分注意し、車の通行の妨げにならないように。停止時は、走行時と違って、十分左に寄った方が良いでしょう。縁石に左足をのせておけば、サドルから降りる必要もなく、楽。

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